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2013.6.13
ゼンマイ干し 旬菜館さかの ~山菜名人に学ぶ~

今回はゼンマイ干しの取材です。「旬菜館さかの」の奥様にお話を伺いました。

ゼンマイは、20~30センチ程伸びた若い芽を食べる山菜です。見た目は先端の葉と茎の部分がくるりと巻かれていて、金や黒の綿毛に覆われています。険しい山でピンと立つさまは「山菜の王様」と呼ぶにふさわしい姿です。男ゼンマイ(胞子葉)と女ゼンマイ(栄養葉)とにわかれており、一般に食用とするのは、女ゼンマイです。男ゼンマイは採らずに残します。男ゼンマイを残さないと、その場所に生えていたゼンマイが絶えてしまうそうです。

触って比べると、男ゼンマイは女ゼンマイよりも硬い葉が付いているように感じました。

ゼンマイ

[収穫]

今回、ゼンマイ採りに同行させていただきましたが、さかのさんには普通の山道でも、私にはとても険しいものでした。落ち葉に覆われて足場が確認しにくく、そのうえ傾斜がきつく倒れた木に足を取られやすい地形でした。さかのさんによると、通常はこれよりも大変な山の奥まで採りに行くそうです。私が進むのに手間取っている間に、さかのさんは遠くにいることがしばしばでした。足場を確かめながら進んで、ようやく見たゼンマイはとても堂々としています。                

 

 

                                           

[下処理]綿毛を取る

[下処理](下ごしらえ)

普通ゼンマイ干しに加工しますが、その下処理として、まず綿毛を取り除きます。取り除いた綿毛は、綿花の綿とともに鞠等に詰めることや、糸にして布にすることもできます。

 

 

 

                                          

 

[茹で処理]に入れる

[茹で処理]

その後、鍋にたっぷりと水を入れて沸騰させ、そこに綿毛を除いたゼンマイを入れて、30秒程度で湯から上げます。ゼンマイ干しにするときは、茹ですぎないように絶妙な加減で茹でます。

 

 

                                          

 

 

 

[天日干し1]重ならないように並べる

[天日干し]

茹でたゼンマイをムシロの上に重ならないように広げて、2日かけて天日に干していきます。その際のポイントとして、時間ごとに、ゼンマイをもんでいきます。もんでいくことによって、ゼンマイが柔らかくなっていくのです。また、時間を置きすぎるとゼンマイは固くなってしまうので、そのタイミングも大事だそうです。もんでいく過程はそばを打っているかのようです。そして、もむ作業はとても力がいるもので、回数を重ねるごとに力を強くしていきます。さかのさんのところでは、この作業を5回以上行います。いくら揉んでも柔らかくならない根本の部分は揉んでいくうちに根本の固い部分が取れていくか、あるいは取り除きます。

                                              

[天日干し2]ゼンマイを揉む

1日目はこのように揉んでいきます。

2日目もまた天日に干して揉みます。場合によっては、1本ずつ揉み込んで行きます。そして、仕上げとして、柔らかくなったゼンマイを小さく丸めて団子状にしていきます。太いものは1本、細いものは数本で丸めていきます。丸める時のコツとしては、太いところから丸めていくと上手く丸まっていくそうです。

[天日干し3]ゼンマイを丸める

 

 

 

                                         

                                         

 

[完成品]

[完成品]

そうして、干したゼンマイのかさは、10分の1の程度になります。干していくうちに、ゼンマイは緑色から赤い色 へ、そしてきれいなあめ色へと変わっていきます。機械で干すと、この色にならないそうです。これが、美味しいうえに何年も保存ができるすばらしい食品に なっていくのです。その手間から、乾燥してないゼンマイとゼンマイ干しでは、販売した時の価格が全く違ってきます。

 

 

 

 

ぜんまい干しになるまで

さかのさんのやり方は、飯豊の中津川の農家で30~50年以上前から行われていた方法です。この1本毎に丸める方法は調理のしやすさから需要も多いそうです。

坂野さんで取扱っているゼンマイ干しの価格については5段階ほどあり、1万円以下/kgから2万5千円/kgまでありますが、このやり方で作られたゼンマイ干しは最高級品となります。

 

 

 

 

 

私も丸める作業を体験しましたが、さかのさんのようにきれいに丸まらずに、どこかが緩んでしまう姿になってしまいました。さかのさんが丸めたものは、きりっときれいにまとまっています。丸めないで干しても問題はないそうですが、丸めることによってゼンマイを戻すとき、より戻りやすくなるそうです。ですが、1つ1つ丸めて作るのは手間がかかるので、今はその行程をやらない人も多いそうです。

ところで、外に出して、天日で干しているゼンマイが風で飛んで行かないのか?と不安に思ったのですが、少しの風では飛んでいきません。なんとなく「ゼンマイ干し」という文字から、パサッと軽いのではないかと勝手に考えていましたが、それは間違いで、乾燥してはいますが、枯れ葉などの乾燥具合とは全く異なる感触です。ゼンマイ干しを触ってみると、まるでコーティングされたかのようにツヤがあり、不思議と軽くありません。

ゼンマイ干しを戻すときにも、揉んでいくそうです。そして、戻したゼンマイは様々な料理に使うことができます。

 

<ゼンマイ干しの作り方>

1日目

AM      山菜採り

PM      湯がいてから、混ぜるようにして揉み始めて、回数を重ねる毎に

だんだん強くして、数回にかけて揉む

2日目

AM      干しながら、揉み込んでいく(数回)

PM      午後にかけて干していく。

場合によっては1本ずつ丸めて揉み込んでいく

※その後乾燥等を防ぐために、新聞紙等で包んで涼しいところに

保管する。それにより、数年保存できる。

 

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