ぜんまいは日本固有の山菜で、生育力旺盛な多年生シダ植物です。地下茎は分枝し、黒色長大で地下浅く張っています。地下茎の先端から綿毛を被った新芽が出てきて、その新芽を食します。ぜんまいは、険しい山奥から自然採取し、乾燥は1本1本手もみをして仕上げていることから、良質で高級料理の食材として多くの方々に食されています。
雪の多い置賜では古くから、乾燥して冬期間の保存食として利用したり、山村の備荒食品として重要なものでした。
山形県の生産量は7トン以上で全国第7位の生産量となっており、置賜管内の生産量は約5トンで県内生産量の約6割を占めています。
4月下旬~6月上旬にかけてが収穫時期です。水気の多いところを好みますので、渓流や水路の脇などに自生します。葉は栄養葉と胞子葉にわかれ、栄養葉をオンナゼンマイ、胞子葉をオトコゼンマイと呼びます。
独特の歯ごたえとまろやかな風味のある山菜です。ぜんまいは良質なタンパク質やビタミンA(カロチン)、ビタミンB2、ビタミンC、ニコチン酸を含み、栄養価が高いといわれています。このことから、古来より歯の薬と称されたり、神経痛やかっけ、腹痛にも効くといわれ、健康食として食されているようです。
ぜんまいはアクがとても強いので、そのまま食べるのではなく一度乾燥させてから調理するのが一般的。乾燥ぜんまいの作り方は、たっぷりのお湯を沸かし(重曹を加えることもあります)、水洗いしたぜんまいを入れ固茹でしたあと、天日干しをして手で揉んでよりをかけることを繰り返します。完全に乾燥したら完成です。
乾燥ぜんまいを水でふっくらと戻し、調理します。調理法は、「ぜんまいの煮込み」「くるみ和え」などがあり、ほかには、天ぷらや粕漬けなどの料理にも使われています。長期保存することができ、いつでも、山菜の味を楽しむことができます。