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取組みファイル016

「見た目は悪くても味は最高!岡の台ごんぼ」

岡の台バードッグファミリー 小松勝美さん



 鍋に煮物に汁物に、これからの季節は特に大活躍するごぼう。白鷹町の畔藤(くろふじ)地区“岡の台”で採れる「岡の台ごんぼ」は、ごつごつしていて太くて短い。だけどこのごぼう、見た目は悪いけれど、香りが良くて味が濃いんです!その秘密は、この土地の土壌にありました。
 
 今回は、この地区で岡の台ごんぼを栽培している「岡の台バードッグファミリー」の小松勝美さんに、お話を伺いました!
 


― 栽培に適さない土地だから、おいしいごぼうが育つ ―
 
 287号線を走っていると、「畔藤岡の台ごんぼ」と書かれた大きな看板が見えてきます。この周辺は「岡の台」と呼ばれる地域で、昔あった土石流により運ばれた粘土質の土壌が堆積してできた土地です。この土壌は締まって固くなる性質なので、本来ごぼうの栽培には不向きです。
 
 通常、ごぼうの栽培は深堀りをしてごぼうが伸びやすいようにするのですが、ここではあえてそれをしていません。伸びたくても伸びられない環境のため、ストレスがかかりごつごつとして短いごぼうになります。しかしそのストレスのおかげか、でんぷん質が多く繊維質がきめ細かく、味も香りもいいおいしいごぼうになるのです。
 
 かつては畔藤地区でたくさん作られてきた岡の台ごんぼ。収穫の大変さからか栽培する人がいなくなり、その姿を見なくなってしまいました。平成14年、岡の台ごんぼを復活させようと地域の人が集まり、10人で栽培を開始。その評判は少しずつ広がり、テレビなどでも紹介されるようになりました。現在「岡の台バードックファミリー」の代表を務める小松さんは、平日は別の仕事をしているため週末に農作業をしています。小松さんのように兼業で栽培している人も含め、現在7
人が岡の台ごんぼを栽培しています。



  4月末~5月初旬に種を植え、8月中旬~11月まで収穫が続きます。今年は初夏に雨が全然降らなかったため芽が出ず、収穫が1ヶ月ほど遅れたのだとか。逆に初秋に雨が降ると掘り起こすのが容易でないため収穫できなくなるそうで、天候に大きく左右される作物です。収穫後は土がついたまま出荷され、水分を含んだ新聞にくるんでおけば、11月に収穫されたものでも2月頃まで日持ちするそうです。
 
 収穫は専用の農機を使い、奥さんと共同作業で行います。掘り起こされた土からごぼうを見つけて取り出していきますが、掘り出された土は乾燥した時期でなければかたまりになっています。かたまりからごぼうを取り出すのは一苦労です。
 
― 香りも味も濃い岡の台ごんぼ ―
 
 「ごぼうは本当に奥が深いですよ」と小松さん。炒めて良し煮て良し、だしも出るので様々な料理に使えるのです。

 小松さんおすすめは「ごぼうの太まる煮」。奥様が考案された料理です。太いごぼうの中を丸く抜き、蒸かしてからにしんか牛肉を入れてしょうゆ・砂糖・酒で煮たものです。ごぼうのうまみが存分に味わえる一品なのだそう。
 また、半分に切って叩いたごぼうに小麦粉をつけて焼き、甘辛いたれをからめた「ごぼうの蒲焼」もおすすめ。そのほか、ごぼうチップ(奥様作のものは最高だそう)、甘辛煮や味噌汁、きんぴらごぼうにしても美味!スライスしてお好み焼きに入れてもおいしいそうです。
 細いごぼうは、そのままぶつ切りにして煮物にすると歯ごたえが最高です。5,6本をまとめて牛肉で巻いて焼いてもぷりぷりとおいしく食べられます。
  
 加工品の販売もされており、ごぼうのかりんとう饅頭や混ぜご飯のもと、ごんぼみそや甘辛ごんぼなど様々。白鷹産のヤマガタ地鶏とのコラボ商品も販売されています。
 
 調理のポイントは、皮を剥かずアクを抜かないこと。ごぼうの皮付近には、糖・タンパク質・アミノ酸が集中しています。うまみ成分であるグルタミン酸も豊富!また、あく抜きのため長時間水にさらしてしまうと、白くはなりますがカルシウム・カリウム・アミノ酸などの栄養分が水に溶けだしてしまいます。本来の味を楽しむには、たわしか包丁で皮をそぎ落とすだけで使うのが一番だとか。
 
― 見た目よりも中身です ―
 
 小松さんは現在、長井方面へ出荷しています。この日が今季の初出荷だったということで、販売店の「菜なポート」へ行ってみるとお昼過ぎの段階で残り一袋となっていました。長井・白鷹の方はごぼうをよく食べるそうで、多いときには一日に2度出荷することもあるそう。岡の台ごんぼは、地域の人が待ち焦がれている野菜なんですね。
 
 現在では銀座のアンテナショップでも販売されており、関東方面の有名旅館や料亭でも使われているそうです。


 小松さん自身「怪獣ごぼう」と呼ぶ岡の台ごんぼ。見た目は悪くても、大切なのは中身。人も野菜も、見た目じゃないですね!食べてみないと、その魅力は分かりませんから。

(取材日:2013.9.23)
 

取組ファイル008
「窪田なすは、この地区の象徴」
渡部照子さん
取組ファイル025
「受け継がれる美しさと旨味、八ツ房(やつふさ)なす」
きへちゃなすの会

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