「自分の子供に食べさせたい。小国の雑穀」
企業組合旬彩工房 山口ひとみさん
健康志向が高まり、最近では白米のほかに雑穀米が選択できる食事処も増えてきました。そうした中で、小国町では「たかきび」や「もちきび」を使った新たな取り組みが行われています。
今回は、栄養豊富な雑穀を使用した食を広めていこうと活動している小国町大石沢「企業組合旬彩工房」の山口ひとみさんにお話を伺いました!
― 母から子へ、食で伝える愛情 ―
鳥取県出身の山口さんは東京で仕事をしていましたが、有機農法を実践されているご主人との出会いを経て、現在は四季がはっきりしていて、食が豊かな小国町で土に根差した暮らしをしています。
今の安心安全な食を届ける仕事を始めようと思ったきっかけは、お子さんを育てている時。せんべいが好きなお子さんにアミノ酸とお砂糖がたくさん入ったものを食べさせることに疑問をもち、お米も育てていた山口さんは、東京下町のせんべい屋さんに納得できる原材料を送って作ってもらうことに。手書きだったラベルがデザインして印刷されたものになったとたん商品らしくなり、「このおやつを多くの人に届けられたら」と思っていたところに、食にこだわるお母さん仲間と出会い、旬彩工房を立ち上げ、いろいろなお菓子を作ったり、食育教室を始めたりと、どんどん輪が広がっていきました。
現在は、農薬を使用せず栽培したもちきび・たかきびはもちろんのこと、化学調味料を一切使用せずに作った国産小麦のクッキーやパン、第2回 やまがた土産菓子コンテストにて、山形県県知事賞を受賞した「つまむ穀つぶ おぐにグリッシーニ」シリーズなどを販売しています。
(写真:製造を担当している繁村さん)
― みんなで育てる雑穀 ―
たかきびは丈が2m近くになり、受粉すると大きめの粒がだんだん丸みを帯び、赤褐色になっていきます。茎が赤くなってくると収穫のサインです。たかきびは比較的強い農産物のため高齢の方でも育てやすく、一つ一つ手作業で収穫するため
みんなで育てることができるのも魅力です。
炊くとひき肉のようになり、ポテトグラタンにしたりそぼろにしたりと
ヘルシーなお肉の代用品として使用することができます。栄養価は、
食物繊維が白米の20倍、ビタミンEは28倍、鉄は12倍と大変高いのも特徴です。
もちきびは熱を加えるととろみが出るため、シチューのようなお料理や離乳食に使用できます。
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栄養価は食物繊維が白米の3.4倍、マグネシウムが3.7倍、鉄が2.6倍と高いです。
たかきびやもちきびを育てるには、中耕・培土といわれる除草と土を盛る作業を初期にしっかり行うことが重要です。また、最近は山鳩やスズメといった鳥による被害も増えてきているのが育てる上で大変な点です。
― 命をはぐくむ食の応援団 ―
山口さんは、金属アレルギーであることをきっかけに食についての勉強を始めました。市販のものに多くの化学調味料が含まれていることなどを知り、
情報を得て、選択することの大切さを実感しました。その経験から食育にも力を入れています。
8年ほど前からは保育園で親子向けにきびご飯のおにぎりを作る食育教室を行っており、徐々に雑穀を食べている子供も増えているようです。今後は、これから社会に出る高校生や一人暮らしをする人たちに食に関心を持つことの大切さを伝え、少しでも良いものを選ぶ力を身につけてほしいと考えています。
「日々の食べ物が健康を作る」という考えのもとで生産を続け、旬彩工房の商品を食べた人の命をはぐくむ食の応援団でありたいと活動しています。
(写真:山口さん)
(取材日:2017.9.29)
● 企業組合 旬彩工房 お問い合せ先 ●
住所:〒999-1212
山形県西置賜郡小国町大石沢373
TEL:0238-65-2432
Email:mozumama55@gmail.com
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