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取組みファイル027

「鮮やかに咲き誇る置賜のダリア」

JA山形おきたまダリア振興部会長 鈴木武一さん

 
 昭和35年に開園した650種10万本のダリアが咲く日本最大規模の観光ダリア園「やまがた川西ダリヤ園」のある川西町を中心として、置賜はダリアの産地として知られています。

 色も咲き方も様々なダリアは、花によって表情が大きく異なります。その華やかな姿の裏側には生産者のダリアに対する深い愛情と多くの努力があります。今回はJA山形おきたまダリア振興部会の部会長 鈴木武一さんにお話をお聞きしました!


― 多種多様な表情で魅せるダリア ―

 川西町内で平成13年に市場の要望に応え、全国に先駆けて中大輪の切り花ダリアの生産が始まりました。その後、川西町全体で切り花ダリアの栽培に取り組み始めたことがきっかけで、JA山形おきたまダリア振興部会が発足しました。鈴木さんは川西町がダリアの栽培を推進し始めたときからJA職員として携わり、定年退職後栽培をスタート。昨年からJA山形おきたまダリア振興部会の部会長を務めていらっしゃいます。生産者は川西町から置賜へと広がり、今では米沢市・南陽市・川西町・白鷹町の4市町46名がJA山形おきたまダリア振興部会に所属しています。栽培品種は約100種類と、他県に比べて多いのが特徴です。鈴木さんの畑では15種類を育てています。品種が豊富なため、市場からの多様なニーズに応えることができるのが強みです。


 露地のダリアは、8月中旬~11月上旬が出荷期間ですが、10月10日前後が最盛期です。暑さを乗り越え、涼しくなってくると色が鮮やかに出てきます。ピンクや赤など明るい色はもちろんのこと、お葬式にも使われることがある白いダリア「かまくら」や市場で人気のある黒いダリア「黒蝶」(写真上)など花の色が様々あるのが魅力です。



 花の大きさは、直径が3cmと小ぶりなものから最大で30cmほどになるものまで多岐にわたります。また、花びらの形はボールのように丸いものなど17種類あります。毎年のように新種が出ますが、作られなくなる花もあるため、品種は増減します。
― 美しい花になるまでの道 ―

 
 ダリアは非常に病害虫の多い花です。害虫が数多く寄ってくるため、夏場の暑い時期には週1回病害虫対策用の薬剤を散布します。近年悩まされているのは「オオタバコガ」。花の中に入り込んで花びらを食べる害虫で、対策に力を入れています。

 
 ダリアは約50cmの茎に大体6つの節ができます。茎の節に出てくる脇芽を一つ一つ手作業で取ることで養分がいきわたり、美しい花を咲かせることができます。露地でのダリア栽培は丈が大きくなるため風や長雨の影響を受けやすく、日照不足により生育が遅れ、せっかく咲いても収穫できないということもあります。


 また、他の花よりも日持ち性が短く、何もしなければ4日ほどで終わってしまいます。花を日持ちさせるために糖分や殺菌剤を含む水揚げ剤や花弁に散布する品質保持剤処理などの対策を行っており、日持ち性がよくなっています。他にも、霜が降り寒くなってきたら、収穫が終了するので畑を一旦全て綺麗な状態にして球根を掘り取る作業を行うなど、1年中気が抜けないため大変なことも多いです。

 選花作業は厳しい基準により行われ、真ん中の芯が少しでも見えていたり、色がさめてたりしているものは出荷できません。





― ダリアは生きがい。ダリアを広め、栽培者を増やしたい ―
 
 現在JA山形おきたまダリア振興部会では、年間の販売額は7,800万円ほどですが、今後は1億円の売り上げを目指し、山形県や川西町等の行政機関や農協の指導を受けながら栽培者を増やしていけるように活動していきます。

 是非ダリアの花に興味を持ってほしいです。色が様々あり、花言葉は「感謝」です。贈り物はもちろん、生活にいろどりを与えることができる美しい花です。

 鈴木さんにとってダリアは「生きがい」。大変なことも多いですが、咲いた花を見るのは楽しみです。ぜひ、栽培者になりたいという方が増えてほしいと話してくださいました。
(取材日:2017.10.5)

● 川西町のダリアについてのお問い合せ先 ●
山形おきたま農業協同組合 川西支店園芸
TEL:0238-42-2154


 

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