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「〝白い森〟小国町から全国に山菜をお届けします」

山物屋

  

 春の味覚と言えば、山菜。雪深い置賜地域の山々では、雪解けを追いかけるように山菜が芽吹いてきます。ふきのとう、ふき、こごみ、ぜんまい、たらのめ、うど、わらび、孟宗竹…。様々な種類がある山菜は、その土地、その山によって芽吹く時期が異なり、地元の人は一番おいしい頃合を見計らい山菜を採ってきました。

 

 山菜採りに同行させていただくべくお伺いしたのは、置賜地域でも特に雪深い小国町。町土の約90パーセントが山森に囲まれた小国町は、まさに山菜の宝庫。まだ雪が残る初夏の小国で、山菜を通信販売している「山物屋」代表の玉津修さんを訪ねました。

  

―山菜採りに、いざ、山へ!―

 

 夏のような日差しが降り注ぐ5月末日、この日の一週間ほど前にご連絡した時には、「山の雪が解けないので車で山へ入れない」と言われていましたが、ようやく奥まで入れるようになったとのこと。雪深い小国では、雪解けを待ちながら少しずつ奥へ入り収穫していくのが常。山の様子をうかがいながらの収穫作業です。

 いつも収穫に来られている入山(いりやま)は、昔からこの地域の50軒ほどの人たちで管理している山なのだとか。玉津さんももともとこの地域に住んでいたため、いまでも一緒に山の管理をされています。山道は想像以上の急な勾配、がたぼこの砂利道、道幅は車幅ぎりぎり、だけど玉津さんは慣れたハンドルさばきでぐいぐい登っていきます。「あちらの奥に見えるのは朝日岳です。もうすこし登ると、反対側に飯豊連峰が見えますよ。」 いつもは早朝に山に登るため、運がいいと雲海が見渡せるのだそうです。

 雪で道をふさがれた場所からは、山菜の装備に着替え歩いて山に入ります。玉津さんはつなぎに長靴にヘルメットという完全防備。なぜヘルメットかというと、質の良いおいしい山菜を求めて、危ない崖や沢を超えて、山の奥へ藪をかき分けながら収穫を行うので、安全のためにもヘルメットは絶対に必要なのです。

 急斜面や藪の中もなんのその。玉津さんは木々の中に分け入りプロの鋭い洞察力で「たらのめ」や「こしあぶら」を見つけては、高い枝をしならせ収穫していきます。普段一人で山に入るそうですが、早朝から何時間も山道を歩き、多いときには6kgもの山菜を収穫するそうで、大変な重労働。けれど玉津さんは「いまはまだ粒が小さいですけど、もう少しすると大きいのがたくさん芽吹いてきます。収穫するほどどんどんかごにたまっていくのでやりがいがありますよ。」と笑います。

 

―小国町で、山菜屋を―

 

 小さい頃はあまり山菜採りに行かなかったという玉津さん。山菜をはじめとした山形県産食材の通信販売サイト「山物屋」を始めたのは、6年ほど前だそうです。一人で始められたそうですが、山菜は新鮮さが命、当日出荷を基本としているため、10名ほどの職人さんに収穫の協力をお願いしてさまざまな種類の注文に対応しているのだそうです。

 収穫された山菜は、大きさごとに分けられ出荷の時を待ちます。この日見せていただいた、たらのめ、こしあぶら、わらび、うるいはどれも太くて立派なものでした。小国町は雪が多いので、雪解け水で土壌は水分を十分に含み、小国町の山菜は瑞々しくて香りの強い山菜になります。また、収穫できる山菜の種類が多いことも、小国の特徴なのだとか。

 玉津さんがこだわっているのは小国の山菜だけを出荷すること。乾燥や塩蔵、瓶詰、缶詰といった加工品も扱っており、それらの原料はすべて小国産です。「毎年買ってくださるリピーターの方もいらっしゃいます。料亭でも使っていただいていて、一度に大量注文をいただくこともあります。遠いところだと関西方面からも注文をいただいています。」通信販売のため、全国各地に小国町の山菜を愛用する方が増えているそうです。

 おすすめの食べ方をお聞きすると、「わらびの納豆和え」とのご返答。ねばりがきいて、ごはんに合うのはもちろん、お酒のつまみにも最適なのだとか。作り方は簡単。アク抜きしたわらびを細かく刻み、ボウルに入れてかき混ぜねばりを出します。納豆に砂糖を少量加えて混ぜ、しょうゆを加えます。わらびと納豆を軽く混ぜて出来上がり。しょうゆを塩にしてもおいしいそうです。

―小国町で生きる―

 

 最後に、小国町で山菜の通信販売を始められたきっかけをお聞きしてみると「山とか気持ちいいじゃないですか。せっかく小国町に住んでいて山菜取れるんだから、販売しようって思ったんです。雪深いとか田舎だとか言っていてもしょうがないですよ。楽しまなきゃ。」そう言って笑う玉津さんは、「山物屋」の代表以外にも小国町で「NPO法人白い森山楽隊」の理事長も務めています。まちづくり、地域の活性化を目的にバスツアーや清掃活動などを行い忙しい毎日を送る玉津さん。これからも、おいしい山菜をたくさんの人にお届けし、様々な形で小国町を盛り上げていかれることでしょう。

(取材日:2013.5.27)

「山物屋」ホームページはこちら>>

「NPO法人白い森山楽隊」のホームページはこちら>>

玉津修さんマイページはこちら>>

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