原産地はアフガニスタン付近の中央アジアか地中海沿岸といわれています。中国では2000年前にはすでに食用されていて、日本へは弥生時代に渡来し、各地に根づきました。地域ごとに品種が生まれ、その数は80種とも言われています。
かぶは世界中で栽培されていますが、分類上はアフガニスタン原産のアジア系と、中近東から地中海沿岸原産のヨーロッパ系との2変種に分かれます。ヨーロッパ系は耐寒性があるので、東日本を中心に、アジア系は西日本を中心に栽培されています。
春の七草には“すずな”として数えられています。根の部分だけではなく、 葉もおいしく栄養も豊富なため、全て残さず食べるようにしましょう。
かぶは通年出荷されていますが、基本的に晩秋から冬が旬の野菜のため寒い時期のほうが甘味もまして美味しいようです。11月~1月頃が最も沢山出回ります。
通常食べている部分は根ではなく発生学上胚軸と呼ばれる部位で、ひげ状の部位が根となります。
消化酵素のアミラーゼ(ジアスターぜ)が多く含まれており、便秘や下痢、胸焼けなどに効果的です。辛み成分グルコシノレートには血栓防止や解毒作用があります。また血を作るビタミンといわれている葉酸や、血圧を下げる効果があるとされるカリウムも含まれています。葉は栄養豊富で、β-カロテンやビタミンC、B1、B2、K、カルシウム、鉄、などが豊富に含まれています。赤かぶにはアントシアニン色素があり、活性酸素の抑制効果が期待できます。
選ぶ際には、皮にハリとツヤがあり肩が盛り上がって重みのあるものを選びましょう。葉は色鮮やかでみずみずしく、茎と根の部分のつなぎ目が変色していないものが鮮度です。
かぶの食べ方は多様で、生のままや漬物にするとパリッとした食感が楽しめます。煮物にするととろりと甘くなります。また、葉の部分は栄養豊富で大根の葉に比べ柔らかいので、お浸しや和え物、味噌汁、炒め物など多様な食べ方ができます。