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トマト(大玉)

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 中南米のアンデス高地が原産とされますが、メキシコという説もあります。16世紀にスペイン人によって欧州に広がり、日本には17世紀に渡来しました。当時は観賞用としてトマトは栽培されていました。日本で食用にされ始めたのは明治時代で、本格的に野菜としての栽培が始まったのは昭和になってからです。戦後になると欧米の食生活が急激に普及したため、サラダのような野菜の生食が日常的に行われるようになり、トマトの消費が増えました。
 トマトという呼び名は、メキシコの言葉で「膨らむ果実」を意味する「トマトゥル」からきています。そのほかイタリアでは「ポモドーロ(黄金のリンゴ)」フランスでは「ポム・ダムール(愛のリンゴ)」と呼ばれているそうです。昔からヨーロッパでは、値打ちの高い果物や野菜を「リンゴ」と呼ぶ習慣があったため、貴重な野菜だったトマトにリンゴの名が付けられたようです。
 日本ではピンク系のトマトが一般的ですが、世界的に見ると加工用の赤色系が主流です。トマトケチャップも、赤色系トマトを使用しているため鮮やかな赤色になっています。

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 トマトは家庭菜園の定番野菜の一つですが、園芸作物としてみた場合、最も栽培が難しい野菜の一つです。トマトは、花が咲いてから収穫するまで70日程度の日数を必要とし、更に最初に着果した果実が成熟するまでの間、新しい花房が次々と開花し着果するため、樹勢を長期間維持することが難しいのです。
 また、トマトは、育苗に大変時間がかかる(2カ月半)ため、普通は専門の業者から苗を購入して定植します。定植適した苗の状態は、花が1輪咲いた頃です。これより早い段階の苗を定植すると、樹勢が強くなりすぎて、着果不良になったり、奇形が発生しやすくなります。逆に、苗の段階で着果したような苗では、活着が遅れていつまでたっても勢いのでない樹勢になりがちです。
 トマトは連作障害が出やすい作物ですので、連作する場合は土壌病害に強い台木に接いだ、接木苗の活用が不可欠です。また、雨に当ると裂果しやすいので、出荷する場合は、ハウス等による雨除け栽培が一般的です。

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 トマトの栄養素といえば真っ先に挙げられるのがリコピンです。抗酸化作用が強く、β-カロテンの2倍以上、ビタミンEの100倍以上にもなります。そのほか、カリウムやルチンなど様々な栄養が含まれており、「トマトが赤くなると医者が青くなる」といわれるほどです。また、うまみ成分であるグルタミン酸を非常に多く含んでおり、これは昆布と同様の旨み成分で、欧米では「トマトのあるところに料理下手はいない」とも言われています。
 食べる際には、ヘタが鮮やかな緑色のもの、手に持って重く感じるもの、中心部の黒いメシベ跡から白い線が伸びているもの、おしりにきれいな星マークがあるものが甘みが強いトマトです。

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