置賜地域で食されているあざみは主にサワアザミという種類で、方言で「ごぼうあざみ」と呼ばれています。このあざみは、本州中部以北、北海道の産地に生える大型の多年草で、茎は高さ1~2m、中空で太く、全体に短い毛があって白緑色です、やわらかい茎を採取して、葉を取り除いて食します。この種類の他にダキバヒメアザミも食されています。
あざみは栽培ものはほとんどなく、山地に自生しているものが販売されています。4月から6月にかけて、旬の味を楽しむことができます。
山形県の生産量は4トン以上で、全国第3位の生産量を誇ります。そのうち置賜管内の生産量は約4トンで県内生産量のほとんどを占めています。
置賜地域ではふつう、柔らかい茎を食用にしています。あざみは利尿作用や神経痛などの効果があるといわれており、冬の間、寒さで凝り固まってしまった体をほぐすのにぴったりです。
食べ方としては煮物にすることが多いですが、炒めても美味しくいただけます。あざみの煮物は、下茹でしたあざみとともに身欠きニシンや糸こんにゃく、人参、さつま揚げなどを醤油やみりんなどの調味料で煮込んだものが主流です。ウドやフキに似た食感が特徴です。