うるいは日本自生のユリ科の多年草で、白色~淡紫色の大きな美しい花を咲かせるため、全国的には主に観賞用として利用されています。食用目的の栽培は近年までは山形以外でほとんど見られませんでした。米沢領の産物という記録もありますが、近年は庄内地域での栽培が最も盛んです。
うるいは種間交配しやすいため、多数の栽培種が存在しています。サクッとした歯応えでクセがなく、軽いぬめりがあります。
最上地方では、光を遮断して栽培することで、より白く柔らかくなったうるいを「雪うるい」のブランド名前で出荷しています。生でも美味しく食べられる新感覚野菜として注目されています。
本州から北海道にかけての、山地や草原など湿り気があるところに自生しています。ハウスでの促成栽培は、温湯を通したパイプの上にモミガラを敷き、ここに根株を並べて土をかぶせ、20度に保って育てます。うるいの葉は成長が進むと苦味が強くなるので若採りします。置賜では、露地物の旬は5月下旬から7月上旬まで。促成栽培の場合は1月上旬から4月下旬まで出荷されます。
うるいにはビタミンCが豊富に含まれています。
選ぶ際には、茎色が白くふっくらしたもの、葉先まで澄んだ緑色をしているものを選びましょう。
味、香りともに癖がなく、しゃきしゃきっとした食感があります。小さなつぼみの付いたこのトウも少し苦味があって美味しく食べられます。通常の食べ方はおひたしですが、和え物、炒め物、煮物、天ぷら、みそ汁の具などにもされます。