山菜の王様とも言われるたらのめは、日本原産で各地の山野に自生するタラの木の若芽です。天然ものもありますが、現在販売されている多くは栽培品です。チョウセンニンジン、エゾウコギなどと同じウコギ科で、ほのかな苦みやもっちりした食感が人気の山菜です。
日本国内に広く自生し、天然物は4月から6月上旬位まで収穫できます。桜の咲く頃がちょうどたらのめが出る頃と同じだと言われており、その頃里山に行けば収穫できます。タラの木は落葉低木で、丘や林などの日あたりのよい場所に群生しています。また、ハウスでの水耕栽培も各地で行われています。たらのめは伸び過ぎると苦みやエグミが強くなり、小さすぎても食べるところが少ないため、芽のつぼみ状のところが開き2~3cm位芽が伸びているものが収穫時期です。
たらのめはカリウムが豊富で、むくみの改善や高血圧予防に効果があります。エラトサイドという有効成分を含み、糖尿病の予防に役立ちます。そのほかマグネシウム、リン、鉄分などのミネラルも含んでおり、さらに健胃、強壮、強精作用があると言われています。
選ぶ際には、緑が鮮やかでいきいきしているもの、芽の先が少し開き、ふっくらしているものを選びましょう。栽培物は香りや歯ごたえが弱く天然物には敵いませんので、できるだけ天然物を選ぶことをおすすめします。
食べる際には付け根のハカマを取って使います。アクがあるので一般的には天ぷらにされる事が多いですが、アクを抜いて様々な料理に使う事も出来ます。独特の香りがあり、春を感じさせてくれます。