原産地は日本や中国東北部などの東北アジアで、日本でも古くから食されており、江戸時代から栽培されていました。漢方では根を乾燥させたものを生薬として用います。
うどの種類は、大きく分けて全体が白い「軟白うど」と、緑色の「山うど」の2種類があり、軟白うどでのほうが流通量は多いです。
「うどの大木」という慣用句がありますが、「体ばかり大きくて役に立たない」という意味で使われます。うどは実際に食用となるのは若い茎や穂先で、大きくなると食べられません。またうどは「木」でなく「多年草」なので、成長してもやわらかいため使い道がない、ということからきているようです。
林の際など日当たりのよい場所か半日陰の傾斜地などに自生しています。寒中でも芽が出て冬の時期に出荷される寒うどと、 3月~5月に発芽して出荷される春うどがあり、春うどの方が軟らかく香りも良いようです。
軟白うどは畑で栽培した根株を秋口に地下の室に移し、暗闇の中で発芽させたものです。 発芽させてから1ヶ月程度で80cmぐらいに育てて出荷されます。山うどは本来は天然のうどのことを言いますが、市場では軟白うどを出荷前に太陽にあてて芽に緑色を付け、 香りを強くしたものが"山うど"として出荷されています。"緑化うど"とも言います。
うどの主成分は水分のため栄養価は低いですが、血圧の上昇を抑える働きがあるとされるカリウムが比較的多く含まれています。そのほか、ビタミンB2、C、ジアスターゼなども含まれます。うどの持つ苦味(アク)はポリフェノールの一種「クロロゲン酸」で、抗酸化作用があるといわれています。ただし、調理する際にアク抜きをするので摂取量はあまり期待できないかもしれません。その他、アスパラギン酸、コリンなども含まれます。また、うどの根を乾燥させた漢方は、アンゲリコールや各種アミノ酸を含み、頭痛、かぜなどに用いられています。
選ぶ際には、茎が太めで穂先まで張りがあり、全体にうぶ毛が密生しているものが良品です。穂先がしおれていたり、茎が変色しているものは鮮度が落ちています。また、香りの強さもチェックポイントです。
山うどはやや灰汁が強く、山菜として葉や先端を天ぷらなどにする他、茹でて酢味噌和えにしても美味しく食べられます。