昔、修験者が荒修行の際、精力をつけるために食べたといわれる希少な山菜が行者にんにくです。しかし行者にんにくは、収穫までに5年を要し収穫期間も1年のうち2週間ほどで、手に入りにくい野菜でした。そこで宇都宮大学農学部のグループ(育成権保有)が「行者にんにく」と「ニラ」を交配し、手軽に食べる事が出来るように開発したのが「行者菜」です。長井市では全国に先駆けて栽培が行われ、特産品となっています。現在では全国で1道4県5カ所で栽培されています。
栽培期間が1年ほどと短く収穫期間が長く、ひとつの株から年間3、4回収穫できます。行者菜はその強烈な香りで病害虫を寄せつけないため、農薬を使わず栽培できます。
ビタミン類が豊富に含まれており、ニラと比べてビタミンA、B1、葉酸を多く含んでいます。
食べ方としては、行者にんにくとニラの特性を併せ持つためギョウザや炒めもののなどの中華料理はもちろんのこと、ピザ、グラタン、和食の薬味など幅広い用途があります。おひたしにすると、ニラよりも肉厚なため食べごたえがあり甘みが強く感じられます。行者菜はにんにくの香りが強いですが、にんにくのようにいつまでも残らないので安心して食べられます。