ヨーロッパ地中海沿岸が原産で、大西洋岸に広く自生していました。最初に利用したのはバスク人とされ、紀元前の古代ギリシャや古代ローマにおいてすでに栽培が行われており、最古の野菜の一つです。野生種は結球しないケールのような葉キャベツで、結球したものが登場するのは12~13世紀頃です。江戸時代に日本に伝わったものも非結球で、後に葉ボタンへと発達しました。明治以降、本格的に栽培されるようになり、第二次大戦以降に食生活が洋風化するにつれ急速に消費が伸び、一般家庭に普及しました。
お菓子のシュークリームの由来はは、なんとキャベツなのだとか。シュークリームはフランスで「シュー・ア・ラ・クレーム(chou a la creme)」と言い、直訳すると「クリームが詰まったキャベツ」という意味です。見た目がキャベツに似ているからこの名が付けれられたのだそうです。
日本では春に収穫される品種に始まり、夏の高原で収穫されるもの、露地栽培で収穫されるものなどがあり、一年中食べられる野菜です。
冬キャベツは葉が密に巻いていて、ずっしり重く甘味があります。春キャベツは巻がゆるく内部まで黄緑色をし、葉質のやわらかいため生食に向いています。
キャベツには、キャベジンと呼ばれるビタミンUが含まれています。これは胃や十二指腸などに対する抗潰瘍作用があり、潰瘍の予防や治療に非常に高い効果があります。胃が弱っている時には積極的にキャベツを食べるようにするとよいです。また、キャベツにはビタミンC、Kも豊富に含まれています。ビタミンCは風邪の予防や疲労の回復、肌荒れなどに効果があり、Kは血液の凝固促進や骨の形成を促します。さらに、胃酸過多や胃もたれ、胸やけなどに効果があるでんぷん分解酵素ジアスターゼも豊富です。そのほか、カルシウム、カロテン、アミノ酸なども含まれます。
選ぶ際には、葉がしっかり巻いていて重みがあり、鮮やかな緑で外葉が厚いものがよいです。春キャベツの場合は外側の巻きがゆったりしていて軽いものにしましょう。カットキャベツは、断面がふくらんでいないものにしましょう。
キャベツは、生でも火を通してもおいしい、一年中出回るリーズナブルな野菜です。季節ごとに使い分けておいしくいただきましょう。