夏刈りふきの名の由来は、高畠町夏茂字夏刈の地名からきています。ルーツは、川西町のぜんみょうぶきとのことで、昭和初期に入ってきたという説があります。
葉柄は1メートルほどで葉は大きく、根本は赤紫色です。柔らかいフキを作るために、畑の周囲にコモやムシロで「風囲い」をします。また、ふきのとうとしても出荷されます。
夏刈ふきは醤油、砂糖、みりんで味付けして、油揚げやニシン、こんにゃくをいれた煮物が定番です。また、砂糖で煮たふき菓子もお茶うけとして食べられてきました。
ふき菓子の外側はカラッとしていますが、口に入れて噛んでみると、ゼリー菓子のような感触とふきの持つしゃきっとした歯触りの良さが調和しています。主張の強すぎる甘味ではなく、丸みのある優しい甘味で、初めて食べてもどこか懐かしさを感じさせる味です。
参考文献
「どこかの畑の片すみで―在来作物はやまがたの文化財―」 山形在来作物研究会/編
山形大学出版会 2007年刊