250年前頃に、新潟から長井市に移り住んだ一族が持ち込み、生産が始まったと言われています。
戦後も長井市内で栽培されていましたが、一時期栽培面積が減少し絶滅の危機に瀕しました。しかし、長井市内の矢久保家が代々種子を守り受け継いできました。矢久保家5代目である喜兵衛氏は苗農家をしながら乱売を避け、盗難を防ぎながら良種を守り、信頼できる生産者に苗分けすることで徐々に面積を増やし、現在に至っています。
「八ツ房なす」の名前は、果実の断面が八角形になっているように見えるから、という説などがあります。(H28.1.22認定)
収穫期間は7月上旬から10月中旬で、薄皮丸なすよりも遅くまで収穫できるのが特徴です。また、形状はやや縦長の巾着型で、色は鮮やかな紫色、手で押すと跡がつくほど皮が柔らかいです。
長井市内で約15戸が生産に取り組み、年間6トンを収穫しています。
漬物で食べられることが多く、漬け方は薄皮丸なすと同じですが、八ツ房なすはヘタに全くとげがないため扱いやすく、花おち部分が小さいため処理する手間が省けます。
また、佃煮や煮物、干してもおいしくいただけます。